Mac Pro概要
日本時間で8月9日未明に発表されたMac Proですが、少しづつエンドユーザーの手元に届き始めているようです。そのおかげもあって徐々にMac Proの全貌が明らかになってきています。やはり実機の使用感想がないとユーザーにとっての関心事の情報は得ることができません。
ある程度、一通りの情報が収集できたので、私の知る限りでの現段階での情報をまとめてみました。新しくリリースされる度に色々と賛否両論を巻き起こすAppleのハイエンドラインですが、今回出たものをじっくり見てみます。
箇体規格
Mac Proの外観およびサイズ規格にPower Mac G5からの目立った変更はありません。重量は若干Mac Proの方が1Kgほど軽くなっていますが、これは基本構成で計測した数値ですので、構成によって大分違ってくると思います。


内部レイアウト
次はMac Proの内部レイアウトについてですが、Mac ProはPower Mac G5から内部レイアウトを大幅に変更しました。
Power PCの刻印が無くなってしまったのは残念ですが、上記の写真を見ても分かる通り、G5よりもすっきりしたレイアウトになりました。G5の内部レイアウトも当初は画期的とも言われたほど計算されたものでしたが、Mac Proはそのレイアウトをさらに進化させています。各パーツについては、HDDはSATA(SerialATA)からSATA IIに変更され、転送速度は1.5Gbpsから3Gbpsへ倍増しています。ドライブベイもG5では2基だったのに対し、Mac Proでは4基搭載が可能になっています(最大2TB)。このドライブベイはSATA IIのコネクタに直結される設計になっており、抜き差しをするだけでHDDの脱着が可能になっています。それ故に、ケーブルも光学ドライブのIDEケーブル以外は内部には存在しない設計となっています。また、光学ドライブも2台同時に使用することができ、ディスク焼きの効率が上がる仕様になっています。
拡張スロットは4基あり、うち1基はビデオカードが占有しているので、空きは3スロットです。転送規格はPCI-Expressを採用しており、BTOでビデオカードはNVIDIA GeForce 7300 GT(256MBのGDDR2 SDRAM、シングルリンクDVIポート1基、デュアルリンクDVIポート1基)、ATI Radeon X1900 XT(512MBのGDDR3 SDRAM、デュアルリンクDVIポート2基)、NVIDIA Quadro FX 4500(512MBのGDDR3 SDRAM、デュアルリンクDVIポート2基、ステレオ3D ポート1基)から選択することができます。電源は300Wまでに対応しており、PCI-Expressスロット全てにNVIDIA GeForce 7300 GTを挿して複数ディスプレイで使用する、という荒技にまで対応しています。
CPUはIntel Xeon 5100番台(通称Woodcrest)を採用していて、デュアルコア2Ghz、2.66Ghz、3Ghzが2基搭載された製品ラインが用意されています。L2キャッシュは4MB、フロントサイドバスは1.33Ghz、64bit処理が可能になっています(64bitに関しては現在対応するアプリケーションがほぼ0なので現時点ではあまり意味がありません)。CPUは本体下部前方に配置されていて、サイドカバーを開けただけでは露出しない様にされています。これは電源、光学ドライブと同様に冷却風の整流が目的だと考えられます。
また、CPUの背面側にはメモリスロットがあり、667MHz DDR2 ECC FB-DIMMが最大16GB搭載できるようになっています。メモリチャネルは独立して4つあり、同容量のメモリを組み込むことで最大256bitのメモリ処理が可能になっています(512MB×4、1GB×8という風に組み込んだ方が性能が発揮されます)。メモリの増設をするにはメモリスロットが載ったライザーカードを引き抜いて、メモリの増設後に再び挿す、という風にします。メモリ自体にも冷却用のヒートシンクが取り付けられており、Appleからは純正以外のメモリを使用するとファンの回転数が上がる可能性がある、とアナウンスされています。これは今回から採用されたメモリ規格であるFB-DIMMが発熱の問題を抱えている、という理由に尽きます(FB-DIMMについてはレイテンシが大きい、市場に出ている数が少なく、今後もあまり増加が見込めないため単価が下がりにくい等の批判があるようです)。
以上のように、Mac Proの内部レイアウト一新の主たる目的は冷却の為で、そのエアフローは単純かつ最も効率が良くなるように配置されています。また、箇体内のファンの数もG5時の最大9基から4基に減らされ、その分大口径化しています。これは、大口径のファンを低速で回す事によって、風量を確保しながら稼働時の騒音を抑えようとしたものでしょう。
電源ボックスは下部から上部へ移動。
外部インターフェイス
外部インターフェイスのポートもG5から増強されています。その違いをMac ProとG5の外部インターフェイスを一覧にしたので、上掲の写真と合わせて比較してみてください。

ざっとですが、一通りMac Proの構造およびスペックについて触れました。近年、Appleのデスクトップはコンシューマーユースとプロユースの色分けがより明確になってきており、今回のMac Proのスペックは完全に業務目的の仕様になっています。その中でも特に高負荷を長時間余儀なくされる映像分野はこれからHDにスライドしていくこともあり、スペックが高すぎるということがありません。映像分野からの要求に応える能力を持っていると言っていいのではないでしょうか。また、スパコンレベルは別として、映像分野並みの負荷と処理能力が要求される各研究分野のシミュレーション等にも、能力、コストパフォーマンス共に耐えうるでしょう。ワークステーションとしての色合いがG5よりも一層強まっています。一方で、家庭用機にするにはオーバースペックですし、消費電力もAppleの他のラインとは比べ物にならないほど大きいものです。それくらいじゃないとワークステーションとは呼べない、ということもあるんでしょうが、コンシューマーユースとしては規模が大きすぎるかな、という感想を持ちました。





