2006年07月13日

機能集約型携帯とiPod

(注!この記事にはハードウェアやソフトウェアの情報は載っていません)

 現在、iPodは携帯音楽プレーヤーとしてその地位を不動のものにしています。高機能PCの普及に伴い、一昔前では扱いにくかった音楽ファイルのようなサイズの大きなデータでも簡単に扱う事がPCと携帯音楽プレーヤーの普及の要因になっていると思います。この新しい「音楽をデータとして扱う」分野には小型デバイス、取り分け携帯電話メーカーがこぞって目をつけました。特に日本のメーカーは小型化という技術力に関しては世界最高水準のレベルなので不可能な訳はありません。あっという間にほぼ全てのメーカーの携帯電話には音楽プレーヤーとしての機能も付加されました。このような中、私の様に疑問を持った人は少なくないはずです。携帯電話に機能を持たせすぎではないのか?と。
 そこで、今回はタイトルにしたテーマについて少し考えてみようと思います。

ipod_family.jpg

 現在iPodは様々なモデルが販売されています。2.5インチのHDを搭載したモデルからフラッシュメモリを搭載したモデルまで、用途に合わせて選択できるようになっています。当然の事ながらiPodは音楽を聴くデバイスであり、一部のモデルを覗いてはその他の機能はありません。


 一方、携帯電話はどうなっているかというと、各キャリア毎に多少の違いはありますが、主流モデルは概ね音楽再生ができるようになってきています。特に容量の少ないフラッシュメモリクラスやマイクロドライブクラスの競争では従来の音楽再生専用メーカーに携帯電話メーカーが参戦し、かなりの混戦模様となっているようです。そんな中で携帯電話の特色と言えば、高機能かつ多機能ということです。携帯電話一つでゲーム、メール、テレビ電話、写真、動画、音楽再生、電子マネーといった具合です。しかし、ここでいくつかの疑問というか心配事が浮かびます。それは「無くしたらどうするの?」という事です。


 少々大げさではありますが、携帯電話一つで色々な機能が使えて便利ということは、裏を返せば携帯電話一つ無くしたら何もできない、という事になりかねません。電話はできない、メールもできない、ゲームもできない、写真も撮れない、音楽も聴けない、お金も払えない。今は発展途上の携帯電話ですが、終局的には全て携帯電話一つで賄うことを目指しているようなので、将来はそうなるかもしれません。IDタグを利用した携帯電話でありながら鍵になる、ということも可能になるかもしれません。そうなると便利ではありますが、一極集中ではリスクが大きくなりすぎるという問題も発生します。


 私は物を無くしやすい人間なので特にそう感じるのかもしれませんが、本当に携帯電話に音楽再生機能はいるのか?電子マネー機能はいるのか?と携帯電話に音楽再生機能や電子マネー機能が搭載された当初から思っていました。必要な時に必要な物を持てばいいのであって、常に持っておく必要の無いものもあるはずです。


 と、ここまで私見を散々述べてきましたが、私の独りよがりじゃないよ、という事も挙げておかなければいけませんね。現在、主流となっている機能優先型の携帯電話とは別にここ2、3年でデザイナー携帯というのも現れてきました。有名デザイナーさんがデザインした携帯電話なのですが、そのどれを取ってみても必要最低限の機能しかありません。そしてそのフォルムはどれもシンプルの一言です。直線、有機線の違いこそあれど、機能に明確な違いはありません。電話機能とメール機能、あっても写真撮影の機能程度です。そのような携帯はやはり薄く、小さいものとなっていて形も綺麗です。「携帯電話」という事を追求すればそうなるのだと思います。


 この、シンプルで明快な携帯、というコンセプトこそiPodに通じるものがあると思います。他の機能を付けようと思えばできるけども、あえて音楽の再生に特化したもの。この潔さが携帯電話にも求められているのではないか、という気がします。しかし、ここで誤解して欲しくないのですが全ての携帯がそうなるべきだ、という訳ではありません。機能重視のモデルだけではなく、選択肢をもっと増やして欲しいという事です。iPodもカラーになってからは写真や動画の閲覧機能が付きました。この先ももっと機能が多いモデルがでるかもしれません。しかし、逆にディスプレイさえ付いていないモデルも発表されました。買い手が選べる選択肢を十分に用意してくれているのです。(元々、iPodのプロダクトデザインが嫌いな人はどれも選ばないと思いますが)


 このような事も踏まえてこれからの携帯電話の機能とデザインについて注視していくと本当にユーザーが求めているものが何であるかが見えてくると思います。そうなった時にどの程度の機能ならばユーザーが機能が多過ぎるとも感じず、少な過ぎるとも感じないのかという最大公約数が分かるのではないでしょうか。

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